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ことばをつむぐ

長男は今、難しいお年頃。

4月から幼稚園が始まり、不安な気持ちがあったり、遠足などのイベントがあったり、プール熱という病気にかかったり…

毎日たくさんの経験をしながら成長しているところです。

さて、数ヶ月前、夕方テレビを見ていたとき。

何だか急に不機嫌な息子。

私は眠いのかな?と思って、

「お母さんなんてあっち行け!」

と言いながらバシバシ私を叩く様子を軽く受け流していました。

数分したら落ち着き、普段通りに。

私もすぐに忘れて普段通りの夜を過ごしました。

夜、寝る前になって。

「お母さん、今日…ごめんなさい。」

と突然謝ってきました。

私は何のことか分からず、

「ん?何がごめんなさいなの?」と聞くと

「さっき。夕方テレビ見てた時。いじわるしちゃったでしょ。あれ、ごめんね?」

と。

「あ〜いいよいいよ。眠かったんじゃない?お母さんそう思ってたから気にしてないよ?」

すると、懸命に言葉を選んでいる様子。

私はしばらく黙って待っていました。

「あのね、あれ、僕の中の小人さんがね。

二人いてね。喧嘩してたからなんだ。」

私も真意を探ります。

「体の中の小人さんのこと?(※私は傷が治るしくみやウンチがでるしくみを体の中の小人さんがお仕事していると説明しています)」

「えっと、頭の中の小人さん。

それでね、1人が、”僕が操縦する脳みそなんだぞ!”って言うの。

そしたらもう1人が、”違う、僕のだー!”

って…

それで2人が喧嘩して、僕はお母さんにいじわるしちゃったの…」

私は、ものすごくダイレクトに息子の伝えたい感覚が伝わってきました。

ともすると、いじわるをした言い訳をこじつけたようでもあるのですが、私はこの「よく分からない気持ち」というのをよくぞ言葉で表現してくれた!

と思ったのです。

自分の気持ちにピッタリと合った言葉をつむぐのって、大人でも大変です。

よく分からない、モヤモヤした気持ちなんて、どう表現したら相手に伝わるんだろう?

めんどくさいから伝えなくてもいいか!

ってなってしまいそうです。

それをちゃんと伝えてくれた息子。

言葉を繊細に操るようになってきた彼に、

「お母さん、あなたの言いたいこと、よーく分かったよ。お話してくれて、ありがとね。」

と言ったら、

安心したようにスッと眠ってしまったのでした。

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