わたしが初めてこどもと向き合った日
3月1日に初めてのワークショップを開催し、その時のテーマの一つが「受信力」についてでした。
私は「受信力」とはこどもと向き合う力だと思っています。
私が初めてこどもと向きあったのは、こどもを生んでから2ヶ月ほど経った時。
いや、もちろん産後すぐからお世話はしていました。
でも、恥ずかしながら私はちゃんと向き合ってはいませんでした。
本当にお恥ずかしい話ですが、私は妊娠中から、「こんな母親になりたい」とか「早く赤ちゃんのお世話がしたい」とかいう希望に満ちた感じではなかったのです。
こどもは欲しかったのだけれど、いざ産む日が近づいてくると、「私なんかが母親で大丈夫なんだろうか・・・」とか、ネガティブな思いばかりで。
しかも「まぁ何とかなるよね、赤ちゃんはオムツ替えたり、抱っこしたり、おっぱいあげてれば育つんだし。」というなんとも楽観的な考えで、出産を迎えたのでした。
しかし、生まれてきた我が子は色んなお世話をしても泣く。
理由が分からない。何で泣くの?と途方に暮れる日々でした。
ネットにかじりつき、「赤ちゃん 泣きやむ 動画」とかで検索したりもしました。
そんな日々のある日、近所にベビーマッサージのお教室を発見して、行ってみたのです。
そのベビーマッサージ教室で、初めて我が子のことをきちんと触れて感じて目を合わせたなぁと思いました。
それまでお世話の最中にも触れてはいたはずなのに、ちゃんと向き合って触れてはいなかったと気づいたんです。
私はお世話することをタスクのようにしていました。
こどもの気持ちや表情を読み取ろうと思ったのは、この時が本当に初めてだったと思います。
さて、ベビーマッサージが終わって帰ってきても、相変わらず我が子は泣きます。
そこで私が腹を決めてしたことは・・・
泣き叫ぶこどもの口を自分の耳に当ててみた
のでした。
そしてよくよく泣き声を聞いてみたのです。
生まれたばかりの時は何かの動物みたいなか弱い声が、少し大きくなっているな。
よく聞くと、抑揚もついている。
これは・・・何かを話している!!
と、妄想全開です。
そこで私はこどもの泣き声に合わせて相づちを打ってみました。
「ビエェェ~」
「うんうん。そうなのねー嫌だったんだねぇ。」
「ビィィィィ~」
「あーなるほどねー。そうなんだー。」
という感じで・・・。
すると、10分くらいこのやりとりを続けた結果、泣きやんだのです。
この時のこどもの瞳を忘れることができません。
確かに、「こいつは信頼できる奴だ!」と思っているような目で私を見つめてきたのです!(←妄想ですが)
このこと以来、こどもの癇癪も落ち着いてきたように思います。
私の覚悟が決まったというのもあるのかもしれませんが・・・。
しかし、この瞳の変化というのは、以後もちょくちょく感じられることなのです。
いたずらをして叱る時、こどもは自分でも悪いことをしたと分かっていてすこし逃げたがるような、怯えるような目をしています。
そこでこどもと同じ目の高さにして瞳の奥を見てみると、フッと和らぐような、安心して話をしようと思ってくれているような(←こちらも私の妄想ですが)、そんな目に変わるのです。
生後2ヶ月の体験があってから、私はこどもと向き合うことを大事にしていこうと思えました。
今では、その時気づけて良かったなと思っています。