発達心理学を学んで良かったこと
数ヶ月前の出来事です。
長男は、4月から通う幼稚園のプレに週1回通っていました。
5月から始まり、秋までは母子一緒にいて、朝のしたく・手遊びや工作・おやつ・帰りのしたくなどを教えながら活動していました。
秋以降は母子分離となり、母親は別室で待機となります。
母子分離となった時、息子は泣いて嫌がりました。私は、何とか説得して教室を離れ、あとは先生に託すしかありませんでした。
週を追うごとに嫌がり方は増し、無理やり車に乗せて、幼稚園に着くまで泣き続けるなんて日もありました。
ところが、ある日を境にすんなりとプレに行けるようになったのです。
その日は朝起きた時点から、幼稚園に行きたくないと泣いていました。
それはすごい泣き方で、私はどうしたものか…と考えました。
過去のことからいっても(イヤイヤ期のエピソードはこちら)、今日が「ここぞ」という時だなと思いました。
「ここぞ」の時は、とにかくじっくり話を聴く。
対症療法ではなく、根本的な問題を探ります。
ここで私が心がけたことは
目を同じ高さにする
他の全てを排除して(テレビ・スマホなど)100%向き合う
こどもの話の途中で口を挟まない
ということです。今日はプレ行けなくてもいいや、という気持ちで1時間、彼の話を聞き続けます。
初めは支離滅裂な言葉の羅列でしたが、その裏にある気持ちを何とか読みとろうと、とにかく聴くことに徹しました。
「そっかそっか。」「そうだったのね。」「うんうん。」
こんな相槌だけ。
時折頭を撫でたり、頬に触れたり、膝に乗せたりして、心の距離を確かめます。
初めのうちは、触られるのも嫌だったみたいで手をはらいのけてきたりもしました。
でもそれも心の距離を知るには有効で、「まだ話し合いを始めるタイミングではないな」という指標にもなります。
そんなこんなで彼の言い分を30分ほど聞いた頃、ようやく彼も冷静さを取り戻していました。
ここからが話し合いです。
とにかく興奮してる時はこちらが何を言っても伝わりにくい。
話し合いは少し落ち着いてからが良いと思います。
話を聴いたところ、彼が一番嫌だったこと、それは
「離れてる間ママが何してるのか分からないのが嫌」
でした。
「離れることが嫌」だったわけではなかったのです。ここがポイント。
親からすると、「離れるのが寂しいんでしょ、大丈夫、ちゃんと迎えに来るんだから!」ってくらいしか説得できないように思いますよね。
でもそれだと、息子の思いとはズレている。
ここで私はハッとさせられました。
そして改めて、こどもと向き合うことの重要性を認識しました。
結局、「じゃぁ、プレが終わったらお互いに何をしていたか時間をかけてお話をしようね!」
と言ったらあっさり泣きやみ納得してくれたのでした。
このあと息子は、自ら「僕とママは心繋がってるから大丈夫!」と言ってプレに行き、泣くこともなく毎週通うことができました。
発達心理学に、愛着関係について論じたボウルビィという人がいます。
ボウルビィによれば、「3歳前後には、養育者との間に見えない心の絆を感じ、行動範囲を広げていく」ということです。
まさしく、息子はこのことを自らの力で学び、そして発達課題を1つ乗り越えたのだと感じました。
発達心理学を学んだことで、「自分のこどもはしっかり発達していけている」と自信をもてるようになった出来事でした。